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： 近年、日本では現役政治家の歴史認識を巡る発言が国内だけでなく、海外でも注目を浴び「歴史認識問題」がかつてないほどクローズアップされ、アクチュアルな意味をもつようになっている。また、2014年７月１日、安倍内閣は集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定。「憲法改定問題」がより現実のものとして論じられるようになってきた。　

本書は、これらの背景と根底にあるものは何なのかを明らかにし、さらに現在、私たちはどのような状況にあるのかを透徹しようと2013年９月２８日に行われた、著者・島村賢一による講義をまとめ、一部加筆したものである。ドイツに13年間滞在、個人と社会と歴史の問題を日独比較の視点から研究、帰国後は現代ドイツを代表する社会学者ベックの訳者・解説者としても知られる島村賢一が、第二次世界大戦から敗戦後の日本が、世界においてどのような立ち位置にあったのか、そして日本国憲法はどのように制定されたのかを解説しながら、二つの問題に鋭く切り込む！